パソコン選びでストレージ(ROM)の容量や性能はとっても重要ですよね。
パソコンのストレージスペックを確認すると「SSD」「HDD」という表記がありますが、それらは一体何を意味しているのでしょうか?
当記事では、SSDを中心にパソコンのストレージについてわかりやすく解説をしていきます!
- パソコンのストレージ(ROM)で見かけるSSDってなに?
- SSDとHDD、それぞれのメリットは?
- SSDとHDDは具体的にどっちを選べばいい?
SSDとは、パソコンにおける記憶装置(ROM)の種類
SSDとは、パソコンのストレージ(データの記憶装置、ROMとも言います)として利用される部品です。
パソコンでは画像やアプリケーションなど様々なデータを取り扱いますが、記憶装置が無ければデータの保存ができません。
パソコンにとって必要不可欠な記憶装置の総称を「ROM」と言い、ROMとして利用される部品の一つとして「SSD」があります。
SSDはROMの種類ってことね。ROMには他にも種類があるのかな?
その通り。次の項目でROMの主な種類を紹介していきます!
ROMはSSD、HDD、eMMCの3種類がある
SSDはROMとして利用される部品の1つとお伝えしましたが、ROMに使われる部品はSSD以外にもあります。
- HDD:20〜30年前から主流として使われる記憶装置。大容量かつ低価格。
- SSD:2010年頃から徐々に普及。高性能だが高額。
- eMMC:省電力かつコンパクトでスマホやノートパソコンに搭載される。容量が小さく用途が限られる。
2021年現在、パソコンのROMとして使われる主な部品は上記の3種類。
中でも、HDDとSSDはできることが似ているためよく比較され、混同することが多い部品です。
HDDとSSDにはそれぞれ長所と短所がありますが、SSDの方が後から出た技術で一般的には高性能とされています。
高性能?容量の大きさ以外にも性能差があるの?
そうなんです。容量はROMの重要な要素ですが、それ以外に何が変わるのか、この後詳しく解説します!
SSDはHDDよりメリットが多い!
まず、HDDと比較したSSDのメリットをご紹介します!
- データの読み書き速度が速い=操作の待機時間が短くなる(サクサク動く)
- 衝撃に強い
- 物理的な重量が軽い=持ち運びが簡単になる
HDDと比較した場合、SSDには上記のメリットがあります。
中でも、データの読み書き速度が速い点はハイスペックパソコンにおいて特に重要視される項目です。
なんでROMが処理速度にかかわるの?パソコンの速さを決めるのはCPUって聞いたわよ。
保存したデータのやり取りやアプリの起動をする時にはROMからデータを取り出しますよね?SSDだとデータの取り出し速度が速いので、結果的に処理速度が高速になるんです。
パソコンで処理速度に関係する部品と言えばまずCPUが思いつきますが、CPUがデータを取り出す間の処理速度はROM性能に左右されます。
高性能CPUでデータの処理を高速にしても、データの取り出し自体に時間がかかっては性能を発揮しきれませんよね。
また、耐衝撃性能が上がる点や部品自体が軽い点は持ち運びの多いノートパソコンで大きなメリットです!
このようなメリットがあるため、HDDよりSSDは高性能だと言えます。
軽いのは女性にとってもありがたいわ!
SSDのデメリットは価格
メリットの多いSSDですが、もちろんデメリットも存在します。
最も大きいデメリットは価格であり、SSDとHDDでパソコンの価格は1~2万円程度変わります。(128GB~512GBの場合)
また、1TBを超える大容量はSSDの苦手分野であり、HDD搭載パソコンとの価格差は3~5万円程度になることも珍しくありません。
以前よりSSDとHDDの価格差は小さくなってきていますが、まだまだSSDは高額です。
価格以外にデメリットはないの?
強いて言えば電気に弱い・故障時のデータ取り出し難易度が高いなど細かいデメリットはありますが、パソコン選びでそこまで気にすることもありません。
経年劣化や故障はどの機械にもつきものだよね。バックアップをしっかり取るようにすればいいわね!
SSDだと具体的に何が速くなる?
SSDのメリット/デメリットを理解したところで「具体的に何がどう良くなるか」という点をお伝えします。
SSDはデータの読み書きが速い点が大きなメリットですが、一体どんな動作に関わるのでしょうか?
パソコン本体やアプリケーションの起動が速くなる
パソコン本体やアプリケーションの起動時には、起動に必要なデータをストレージから取り出します。
処理速度はCPUなど他の要素も大きく関わりますが、SSD搭載パソコンはHDDに比べて半分以下の時間で本体の起動が可能です。
また、アプリの起動時もHDDなら数秒間のフリーズが発生しますが、SSDなら瞬時に反応します。
多くのアプリを起動するビジネス用途での利用やたくさんのデータをHDDから取り出す動画編集作業ではSSDを特におすすめします!
キャッシュの読み込みが速く、ブラウザ操作が快適
キャッシュとは、パソコンにおける一時データのことです。
例えばWebの閲覧でも、一度アクセスしたサイトのデータをある程度パソコン上に一時データとして残すことで、2回目以降のアクセスを高速化することができます。
その際、ROMがSSDだと読み込み速度が速いため結果的にページの表示速度の短縮化につながります。
SSDはWeb閲覧のような日常操作でも快適に操作ができる、と覚えておきましょう!
データの読み書きが速くなり、コンテンツや資料の作成がスムーズに!
データの読み書き速度の高速化は、パソコン内にあるデータを頻繁に出し入れする時にとても役立ちます。
例えば、動画や映像コンテンツの編集作業は数量・容量ともにたくさんのデータを取り扱うためSSDが欠かせません。
また、パワーポイントや作図ソフトを使った資料作成でも画像・テンプレート挿入などが高速化されます。
テレワーク用にパソコンを購入するならSSD搭載がいいかな?
Officeソフトの頻繁な利用や資料を作成するならSSDがあると快適です。WEB会議程度しか利用しないなら、無くても大丈夫!
SSDとHDD、どちらがおすすめ?
ここまでの解説で、SSDの役割や性能の良さについては理解が進んだかと思います。
とは言え、HDDを搭載したパソコンはまだまだ売れていることも事実。
実際にパソコンを購入する時にはSSDとHDD、どのように選べば良いかを解説していきます!
ノートパソコンならSSDがおすすめ
ノートパソコンを購入するなら、SSD搭載パソコンをおすすめします。
ノートパソコンのメリットは持ち運びができる点や手軽に作業を行える点。
SSD搭載ノートパソコンは「軽量&静か&発熱しにくい」という特徴を備え、ノートパソコンの用途にとてもマッチしています。
また、落下や振動に対する衝撃にも強いため、ノートパソコンを購入するならSSD搭載モデルを選択しましょう!
パソコンで処理や作業をすることが多いならSSDがおすすめ
在宅勤務などのビジネス用途でパソコンを購入するならSSD搭載モデルがおすすめです。
資料作成や作業を伴う仕事の効率化はパソコンスペックに比例すると言っても過言ではありません。
仕事をする時に動作速度や読み書き速度でストレスを抱えたくなければ、ROMはSSDのパソコンを選びましょう!
もちろん、動画編集や映像コンテンツ作成・CAD作図などのハイスペックパソコンが必要なら絶対SSD搭載モデルが必要です!
ゲームはどうなのかな?
ソリティアや囲碁・将棋のような動作の少ないゲームはHDDで十分です。3Dゲームで快適な動作を求めるならやっぱりSSDは欠かせません。
データ保存・管理がメインならHDDでもOK
スマホやデジカメで撮影した写真・動画の保存やデータのバックアップ用など、作業や処理がそれほど伴わないならHDD搭載パソコンもアリ。
SSDは高価で性能を活かせる場面を選ぶため、上記のようなデータ保管・管理用途のパソコンだと少しもったいないです。
他にも、ストリーミング動画の再生やテレビ視聴目的など1度ファイルを開きさえしてしまえばパソコンの操作をそれほど必要としない場合もHDDで問題ありません。
ROMをHDDにすれば、浮いた費用で高性能ディスプレイモデルやより大きなストレージのモデルを購入することも可能です。
SSDは高性能ですが、いかなる時にも性能を発揮できる訳ではないことを覚えておきましょう!
DAZNをパソコンで見たくて購入するんだけど、それならHDDで問題なさそうね!
本体やアプリの起動時はSSDの方が早いので恩恵は0ではありませんが、動画視聴目的ならディスプレイにお金をかけた方が満足感が高そうですね!
SSD+HDDのデュアルストレージという選択肢もある
パソコンの中には、SSDとHDDを両方搭載したモデルも販売されています。
「デュアルストレージ」もしくは「ハイブリッドHDD」と言われ、SSDとHDDのメリットを両方備えたモデルとして人気があります!
- 頻繁に処理・作業をするためSSDは絶対必要!
- データの保存も多くするため1TB以上の大容量ストレージも欲しい!
- 全てをSSDにするほどの予算は無い・・・。
SSD+HDDでは、処理が速いSSDにOSや普段よく利用するアプリケーション・コンテンツを保存します。
そして、ROMスピードをそれほど使用しない保存用画像や動画・音楽などを大容量HDDに入れます。
上記のように利用すれば、SSDの処理速度を体感しつつ大容量で安価な保存領域(HDD)を持つことが可能です。
静音性や低発熱など、一部のSSDメリットは失われるもののコスパが高いため限られた予算で大容量ROMを利用したいなら検討すると良いでしょう!
SSDとHDDのいいとこ取りができるなら、絶対デュアルストレージを選ぶべきじゃない!?
コスパは高いですが、HDDよりも高額でSSD容量は多くないため購入時は使い方をしっかりイメージした方が後悔はないですね。
SSDはなぜ高性能?仕組みをさらに詳しく解説
ここまで、SSDの性能について詳しくお伝えしてきました。
パソコン選びに直接関係はありませんが「なぜSSDは高性能なのか?」と仕組みが気になる方もいらっしゃるかと思います。
簡単にSSD・HDDの仕組みや性能について解説します!
SSDはフラッシュメモリを利用しているから速い
HDDは磁気ディスクと磁気ヘッドを利用してデータの記憶・読み書きを行います。
ディスクを回してデータを保管するため、物理的な動作が加わる分読み書きに時間がかかってしまうのです。
また、ディスクが回転する分音が出たり発熱が伴います。HDDが衝撃に弱いのも、このようにディスクと針が近い位置で動く仕組みがあるからです。
その点、SSDは物理ディスクではなくフラッシュメモリを利用しています。
フラッシュメモリは電流や電圧によってデータを記憶・読み書きする仕組みです。
ディスクの回転と電気なら、何となく電気のを使った方が速そうな気がしますよね!
詳しく解説すると非常に細かい話になりますが、SSDは電気を使って処理を高速化していると理解すれば問題ありません。
ディスクの回転と針によってデータを記憶していたなんて・・・。HDDって意外と原始的なのね。
仕組み自体は60年ほど前から存在しています。HDDだけでなく、パソコンは物理的な部品も多いんですよ!
SSDにも性能差が存在する
SSDの中でも、さらに細分化された規格や種類が存在しています。
そもそもSSDの時点でHDDより高速かつ高性能なため、よっぽどスペックにこだわりたい方以外はSSD性能までは気にしなくても大丈夫です。
2021年現在主流のSSDタイプについて、かんたんに特徴をお伝えします。
2.5インチSSD | M.2 | |
---|---|---|
特徴 | 容量あたりの単価が低い 読み書きは遅く、サイズも大きい。 | 容量あたりの単価は高い 圧倒的に小型かつ高速。 |
価格 | 安い | 高い |
速度 | 遅い | 速い |
サイズ | 大 | 小 |
上記以外にもSSDには「U.2、mSATA(MiniSATA)、1.8インチ(MicroSATA)」という種類が存在しますが、現在主流ではないため割愛しています。
SSDの種類としては「M.2」が新しく、高性能&高価格。
高度な3D映像コンテンツの作成やプロレベルの動画編集を快適に行いたいなら「M.2」をおすすめしますが、個人レベルの利用であればそこまでこだわる必要はありません。
参考までにSSDの性能を表す各用語についても記載しておきます!
- シーケンシャル速度:1秒間に読み書きできる速度。単位はGb/s
- ランダムアクセス:毎秒の入出力性能。SSDの根幹性能を表す。
- コントローラ:使われている部品によってメモリへのアクセス速度が異なる。
- MTTF:おおまかな寿命目安
- TBW:総書き込みデータ量。上限まで到達すると書き込み不可になるが、途方もない量なので気にしなくてOK。
まとめ:SSDをわかりやすく言うと高性能ストレージ。迷ったらSSDを選ぼう!
当記事では、SSDについて初心者の方にもわかりやすく解説をしてきました。
記事の後半ではやや専門的な用語もありましたが、要は「SSDは高性能でちょっと高いストレージ」です。
SSDは高額とは言え、HDDとの価格差も1万円程度なので迷ったらSSD搭載パソコンを購入すれば間違いありません。
当記事で得たSSDの知識を活かして、あなたにぴったりなパソコンを選んでくださいね!
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