パソコン選びでは様々な専門用語が登場し、どの部品がどの役割を果たすのかわかりにくいですよね。
中でも、CPUとGPUは文字や役割が似ていることから特に混同しがちです。
しかし、CPUとGPUの違いは難しく考えなくてもすぐに理解することができます!
当記事では、CPUとGPUの違いやそれぞれの役割について詳しく解説していきます!
- CPUとGPUの役割の違い
- GPUは不要な場合もある
- CPUとGPUの性能バランスによって起こる「ボトルネック」とは?
CPUとGPUの違いは「総合処理」と「専門処理」
CPUは「中央演算処理装置」であり、パソコン全体の処理を担当しています。
GPUは「グラフィックス演算処理装置」であり、その名の通り画像や動画をモニターに映し出す処理を担当しています。
CPUとGPUはそれぞれ全く異なる役割で、基本的に独立した部品です。
それぞれの役割について、パソコンにどんな影響を及ぼすのか具体的に解説していきます!
CPUはパソコン全体の処理を担当する総合処理の役割
- パソコンの起動(電源起動時やスリープからの復帰)
- アプリケーションやファイルを開く時の速度
- 複数アプリケーション起動時の処理速度
- Officeソフトなど、資料作成時の動作や反応速度 etc...
CPUの性能によってパソコンに影響を与える動作の主な例は上記の通りです。
全部じゃない?
そうです。中央演算処理装置であるCPUはパソコンのあらゆる動作に影響を及ぼすとっても大事な役割です!
CPUはパソコンのありとあらゆる動作に影響を及ぼす非常に重要な役割を担います。
俗に言う「サクサク動く」「動作がカクつく」といった原因にもCPUが与える影響が大きいのです。
CPUの性能がパソコンの全体的な処理能力を決めると言っても過言ではありません。(動作速度はCPU以外の部品も関わっているため、全てがCPUに影響される訳ではありません。)
「CPU=パソコンの動作全般を担当する総合処理の部品」と覚えておきましょう!
CPUの性能が高ければ、パソコンがサクサク動作するってことね!
GPUは動画や画像などの描画処理を担当する専門処理の役割
- 3Dゲームの映像の滑らかさ・キレイさ
- 動画作成・編集時の映像出力処理の速さ
- そもそもGPUが無ければ3Dグラフィックを利用するゲームやソフトは動かない etc...
上記は、GPU性能が影響を与える動作の一例です。
全ての処理を担当するCPUと比較して、GPUは画像や動画・3D描画などのグラフィックを専門的に処理をします。
動画や3Dコンテンツの処理は、パソコンの内部で膨大な計算や処理が行われるためCPUでは対処しきれません。
そのため、GPUという動画処理専用の演算装置を利用することで複雑な映像をモニターに映し出せるのです。
グラフィックってことは、動画を見る時もGPUを使うの?
実は、動画のように決められたデータを再生する場合はそれほど多くの処理を必要としないんです。GPUが必要なのは、瞬時に描画を行わなければならない処理です!
「GPU=グラフィックの処理を専門的に担当する部品」と理解しておきましょう!
- CPU:パソコンの処理全てを担当する部品!
- GPU:パソコンが扱う処理の中で、グラフィックに関わる処理を担当する部品!
CPUとGPUの性能による動作の違いを解説!
続いて、CPUとGPUそれぞれの性能による違いを見ていきましょう。
パソコンは用途にあった選び方をするべきなので、是非この項目を参考にCPU/GPUを選んでくださいね!
CPU性能が悪いとパソコン全体の動作が遅くなる
CPU性能はパソコン全体の動作に関わると前述しましたが、性能によってどの程度動作が変わってくるのでしょうか。
上記は市販されている個人向けCPUを製品ごとに性能比較した表です。
上位モデルのCPUならパソコン立ち上げが数秒、アプリの起動やファイルの展開も瞬時に動作します。
下位モデルであればパソコンを立ち上げるのにも数分、ブラウザの起動に数十秒、裏でウイルススキャンが走るとパソコンが固まるといったレベルのCPUも存在します。(1~2万円のパソコンはほぼこのレベル)
パソコンってネットを見ながら音楽を流したり、ExcelとZoomを同時起動したり複数アプリの同時利用が多いよね。
画面には表示されていなくても、裏で動くプログラムも多いんです。だからこそ、CPUはある程度余裕を持って選ぶべきですね。
表でも記載していますが、資料作成や日常利用でも頻繁に利用するなら「Core i3」「Ryzen3」以上のCPUを搭載したパソコンを強くおすすめします。
また、CPUには世代(発売時期)があります。
例え「Core i3」でも10年前のモデルだったりすると当然動作が遅いため発売年度にも注意が必要です。
CPUの性能については、以下の記事でさらに詳しくご紹介していますので是非参考にしてください!
GPU性能が悪い/GPUが無いと描画速度が遅くなる・起動しないソフトがある
続いて、GPU性能によるパソコン動作の違いをさらに詳しく解説します。
GPUは描画専門の処理を担っていますが、GPU性能によってどう動作に影響するのでしょうか?
負担レベル | 処理内容 | 備考 |
---|---|---|
最高 | 3Dオンラインゲーム(4K/HD画質) | 動きの激しいFPS対戦ゲームは特に高負荷 中途半端なGPUだと動作すらしない |
最高 | 3DCG・映像コンテンツ作成 | 作成コンテンツによるが、高性能GPU推奨 |
中〜高 | 2Dアニメーション作成 | 作成コンテンツ次第では中程度のGPUで耐用可能 |
中〜高 | 3Dオンラインゲーム(通常画質) 3D CAD作図 | MMO RPGなど動きの少ないものは低負荷 このあたりからGPUなしでは起動しないソフトが出てくる |
中 | 動画編集 | プロレベルで操作するならGPU必須 |
低 | Officeソフトで多数の画像・動画挿入 | 内蔵GPUでOK |
低 | 動画再生 Zoom等のオンライン会議 | GPU不要 |
パソコンを使った主な描画処理の負担レベルを表にしました。
描画にも、高い処理能力を求められる操作とある程度の処理能力でも動作するコンテンツがあります。
FPS対戦3Dゲームなどの高画質かつ滑らかな動作が重要なゲームや3D映像の作成では、高性能GPUでなければそもそも動作しないことも。
パソコンでやるゲームってGPUが重要なのね・・・。
2DならGPU不要なゲームもありますし、3Dでも画質やフレームレートを抑えればGPU性能が低くても楽しめますよ。
一方、動画再生やOfficeソフトの利用程度ならGPUは不要です。
GPUは高度な描画コンテンツを利用しないなら必要ない点がCPUとは違うところ。
GPUは高額(個人利用レベルで1万円〜10万円程度)なため、不要ならばCPUやディスプレイなど別の部品へ予算を回しても良いでしょう!
今はGPUは必要なくても、将来的な事も考えるとあった方がいいのかな・・・?
ある/ないで言えばあった方が良いのは当然ですが、明確な用途があった方が必要なGPU性能もわかりやすいですよね。やや専門的ですが、後からGPUだけ追加できるパソコンもありますよ!
※ここにGPUの解説記事を挿入したいです
CPUにGPUが搭載されている場合もある
ここまで、CPUとGPUの違いについて解説をしてきました。
「根本的に役割が異なりそれぞれに独立した部品」とお伝えしましたが、実はGPUを内蔵したCPUも存在します。
CPUと一体になったGPUは「オンボードGPU」「内蔵GPU」と呼ばれる
パソコンでは、GPUが内蔵されたCPUのことを「オンボード」「内蔵GPU」と表記します。
専用の呼び方がされるには理由は、単独GPUとCPU内蔵GPUでは性能に大きな違いがあるからです。
とは言え、パソコン初心者の方が「内蔵GPU」という表記を目にすると「GPU搭載パソコンなんだ!」と思ってしまいますよね。
もちろんGPU搭載であることには間違いないのですが、「専用GPU」と「CPU内蔵GPU」は性能に大きな違いがある点に注意が必要です。
GPU搭載なのに安いパソコンがあると思ったら、実は内蔵GPUだった・・・ということもありそうね。
CPU搭載GPUは専用GPUより性能が大幅に劣る
GPUは通常「グラフィックボード」という独立した部品に組み込まれています。(CPUは「マザーボード」というパソコンの基幹部品に組み込まれます)
GPUがグラフィックボードに組まれる理由は、高度な映像処理をするために専用部品が必要だからです。
- GPU:動画やCGの描画計算処理をする部品
- ファン:動作で熱を持った部品を冷却する
- グラフィックメモリ:グラフィック処理専用の作業をするメモリ
- 補助電源:高性能なGPUを動かすために必要な電力供給装置
グラフィックボードには上記のような部品で構成されていますが、内蔵GPUの場合はグラフィック専用のファンやメモリがありません。
専用GPUに比べて放熱性能や作業性能、供給電力に劣る内蔵GPUは負荷の高い処理が行えないため性能面で劣ります。
そのため、高画質な3Dゲームや3DCGの作成、3D CADを使った図面作成などは不可能です。
それだったらGPUの意味がないんじゃないの?
あくまでも高画質の3Dゲームなど高負荷なコンテンツでは役に立たないということなんです。内蔵GPUにはそれなりにメリットもありますよ!
内蔵GPUはGPU非搭載パソコンよりできることが多く専用GPUより安価
内蔵GPUが開発された背景には、パソコンの用途拡大とコンテンツの充実化があります。
元々GPUを必要とする方はそれほど多くありませんでした。
- コアゲーマー
- デザイナー
- 建築関係
- アニメーターや3Dクリエイター
上記のような方々は高性能な描画処理ができる専用GPUが必要不可欠ですが、一方で多くの方にとってGPUは無用の長物であったことも事実です。
しかし、近年ではOfficeソフトによる資料作成の増加・複雑化や動画編集、配信などの需要が高まりCPUだけでは処理が追いつかないグラフィックコンテンツが一般化しています。
そのため、専用GPUより性能は劣っても「最低限の処理ができて安価なグラフィック演算装置を作ろう」という経緯でCPU内蔵GPUが搭載されました。
確かに、数年前と比べると簡単な動画編集や画像の加工、プレゼン作成をする人はとても増えたよね!
そうなんです。そういう方にとっては高価な専用GPUは必要ないですし、とはいえGPUが無いと動作が遅くてイライラしてしまいますよね。そこで、内蔵GPUの出番です!
内蔵GPUは専用GPUに比べて性能が大幅に劣るとはいえ、GPU非搭載パソコンと比べると高い描画性能があります。
高画質な3Dゲームやアニメ作成はできませんが、内蔵GPUのパソコンを選べば日常利用やテレワークの資料作成でとても便利です!
CPUとGPUの性能バランスによって起こる「ボトルネック」とは?
高性能GPUは値段が高いけど、ゲームしかしないならその分CPUの性能を抑えればパソコンの購入金額も抑えられるんじゃ!?
いい発想ですね!パソコン選びでは、取捨選択が大事です。でも、3Dゲームをするほどの高性能GPUを使う場合はCPUとの性能のバランスが大事なんです。
CPU性能とGPU性能に差がある場合、お互いの性能を発揮しきれない「ボトルネック」という現象が起こります。
CPUとGPUでは役割が異なるものの、それぞれの動作は完全に独立している訳ではありません。
- キャラクターの動作をプレイヤーがコマンド入力などで命令する(CPU処理)
- 命令に沿ってキャラクターや背景が動く(GPU処理)
- 新たな命令を出し、キャラクターが動く・・・
ゲームであれば、上記のような動作の繰り返しです。
GPUはあくまでも描画の処理を行なっているため、プレイヤーのコマンド入力や敵キャラクターの動作、ステータスの変化などはCPUによって処理されています。
いくらグラフィックが滑らかに動いても、肝心のキャラを動かす命令処理が遅ければ意味がありませんよね。
動画編集でエフェクトを入れるなら「どのエフェクトをどんな風に挿入するか」はCPU処理で、「挿入されたエフェクトを実際に画面に反映させる」のはGPU処理です。
3Dゲームや動画編集など、高度な描画処理を求められるコンテンツは基本的にCPUへの負担も高くなります。
そのため、高性能なGPUが必要になる用途でパソコンを購入するならCPUも高性能なパソコンが必要と覚えておきましょう!
つまり、CPUは全ての処理に関わるから性能に妥協はできないってことね。
その通り。他にも、GPUの性能を引き出すためにはメモリやディスプレイの性能など様々な部品が重要です!
まとめ:CPUとGPUの違いを理解し、用途にあったパソコンを選ぼう!
当記事ではCPUとGPUの違いについて解説をしました!
GPUはそもそも「必要か不要か」というところから考える部品のため、高度なグラフィック処理をパソコンでする必要があるかどうかを前もって検討しましょう!
CPUは日常利用や事務系のテレワークでも最低「Core i3」クラス以上で選びたいです。
どんな用途でパソコンを使うのかを事前に考え、あなたにぴったりな一台を見つけてくださいね!
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